幼老複合施設は、子ども向けの施設と高齢者向けの両方の機能を備えた施設のことを言います。現在は「保育所とデイサービスセンター」の組み合わせや、「保育所と高齢者福祉センター」、「保育所と特別養護老人ホーム」、「児童館と高齢者福祉センター」などの組み合わせが多いようです。また、最近では、小中学校の余った教室をデイサービスセンターとして利用するなど、学校教育施設と高齢者福祉施設の複合事例も年々増加の傾向にあるそうです。
このような幼老複合施設が増加する背景としては、日本で極端な少子高齢化が進んでいるのが理由の一つに挙げられています。現在では、高齢者の人口は約3,300万人で日本の総人口の26%が高齢者となっています。しかしその一方で、日本では核家族化が進み、子どもが高齢者と向き合うことが少なくなりました。そこで、厚生労働省の活動により、幼老複合施設が積極的に設立されるようになり、今も増加傾向にあります。
ちなみに、幼老複合施設を作るメリットは様々で、介護施設にいると孤独感を感じてしまう高齢者も、子どもがそばにいることで元気を取り戻せると言われています。また、子どもたちも高齢者との触れ合いの中で、日本の歴史や文化を知ってもらえるというメリットもあります。
それに、幼老複合施設のようい、介護施設と保育施設を融合させると、土地や既存の施設を有効活用することができ、運営コストや設置コストを抑えることもできます。なお、介護士と保育士の人材不足が業界内では問題になっていますが、幼老複合施設のような新しい試みが積極的に展開されると、興味を持ってくれる介護士や保育士も増える可能性があり、福祉業界の活性化が見込めます。